概要
人間の教示動作をロボットに学習させる模倣学習は、複雑な作業を自動化する手段として有用と期待されます。しかし、一度に教えられる動作は我々が過去に獲得してきた技能のうちのごく一部です。そのため、それをそのまま真似させるだけでは、ロボットが学習できる技能もごくわずかです。
本テーマでは、神経科学分野のシナジーという概念を応用した模倣学習システムの開発に取り組んでいます。シナジーは人間の動作から抽出される動作の基本単位であり、少数のシナジーによって人間の多様な動作が再構成できることが知られています。このシナジーを利用することで、少しの動作を教えれば多様な新しい動作を生成できるような、高い汎化能力を有する模倣学習システムにつながると期待しています。
成果発表など
学術論文(査読あり)
- Kyo Kutsuzawa and Mitsuhiro Hayashibe, “Imitation Learning with Time-Varying Synergy for Compact Representation of Spatiotemporal Structures,” IEEE Access, vol. 11, pp. 34150-34162, .
Open Access: https://ieeexplore.ieee.org/document/10091504 - Kyo Kutsuzawa and Mitsuhiro Hayashibe, “Motor Synergy Generalization Framework for New Targets in Multi-planar and Multi-directional Reaching Task,” Royal Society Open Science, vol. 9, no. 5, p. 211721, 2022.
Open Access: https://royalsocietypublishing.org/doi/full/10.1098/rsos.211721
国内学会(査読なし)
- 沓澤京, 林部充宏: “Time-varying synergyを用いた動作の時空間的構造抽出による模倣学習,” 第40回日本ロボット学会学術講演会, 2022, 2K3-01.